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 ←ふたりの陛下 3 →【感想】ララDX 紅珠から見た陛下と夕鈴の話
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ふたりの陛下/連続ss

ふたりの陛下 4

 ←ふたりの陛下 3 →【感想】ララDX 紅珠から見た陛下と夕鈴の話
--誰か来る。
気配に気付いた小犬陛下は、隠れる場所を探し求めた。
「夕鈴、ちょっとごめん!」
返事を待たずに寝所に入り、部屋にあった衣装箱のふたを開けた。



妃の部屋は、その日はなぜか人払いされていた。
狼陛下は、夕鈴、と呼ぼうとして、なぜだか声がのどに詰まった。
くだらない、下世話な妄想だ--と己の考えを否定しながらも、体はそれとは別に動いた。
気配を消して部屋の中へ入り、寝所へ向かう。
寝台の周りには帳が下りていた。誰もいないはずのそこに、人の気配があった。
狼陛下は一気に帳を開けたが、なぜか腕に薄布がまとわりついてきて--どうやら引きちぎってしまったらしい。
愛する妃が、寝台の上にいた。
「陛下っ!?なっ、ななっ・・・!?」
彼女はいつもの服を脱いでいて、その体には内衣一枚しかまとっていなかった。
それも今まさに脱ごうとしていたのか、帯は緩められていて、襟元はいつものように整っていなくて--胸元が大きくはだけていた。
がたん、と物音がしたほうを振り向くと、衣装箱のふたがひとりでに開いた。
箱の中から小犬陛下が顔をのぞかせた。
「なんだ、いつもより帰り早かったね」
彼は笑顔を浮かべて、んしょ、と箱から出てきた。

--夫の予想外の帰宅に、あわてる妻。
隠れていた間男は平然と開き直って、まるでこちらが闖入者であるかのように感じさせる--。 (小犬陛下だって夫なんだが)
一度そうとらえてしまうと、もうそういうふうにしか見えない。
急に、足元から床の感触が消えた。
ふらあ・・・とよろめきながら、うつろになった意識の中、先ほど見た光景がフラッシュバックする。
ちらりと見えた、夕鈴の胸元の肌色--
--私は、夕鈴が最低でも二枚以上着込んでいる姿しか見てないぞっ・・・!(って、そこ!?)

「抜け駆けは許さぬと--言っておいたはずだが?」
地の底から響いてくるような狼陛下の声音。夕鈴はその場に凍りついた。
夕鈴の耳に、ゴゴゴゴゴゴ・・・と低い地鳴りのような音が聞こえてきた。それは大軍が平原を駆ける音にも似ていた。
狼陛下の周りだけ、空間が違っていた。まるで陽炎がゆらゆらと立ち上るように。
その陽炎の中に、たなびく軍旗が見える。馬のいななき、兵士の雄たけびが聞こえてくる。
--戦場の鬼神が、そこにいた。

チャキ、と狼陛下の剣が鳴った。
とっさに剣を抜いて、小犬陛下は狼陛下の攻撃を受け止めた。
狼陛下の目は昏く燃えていたが、ややあって、その目が光を取り戻した。自分の剣を受けた相手が誰だったか思い出したというふうに、対戦者を見据える。
「成程。太刀筋はお見通しというわけか」
「まあね。君の行動は、全然、理解できないけどね」小犬陛下は冷や汗を流しながら、笑顔を作って見せた。
それから二人は申し合わせたように、夕鈴から離れたところに場所を移した。

いったん剣が離れたところで、小犬陛下は体勢をあらためた。
「なんかさっき鬼神スイッチ入っちゃったみたいだけど、どうしたの?」
「白々しい台詞を・・・。盗人猛々しいとは、よく言ったものだ」
「いきなり人のことぬすっと呼ばわりするのってどうかと思うよ?」
「ならばこの状況を説明してみよ。何故、お前がここにいる」
「誰か来ると思って、急いで隠れただけだよ。決して夕鈴の着替えをのぞこうとか、そんなつもりはないよ?だって・・・」
あ。
もしかして、ばれた--?
小犬陛下は言葉を失った。
先ほど夕鈴とお茶したときに、夕鈴が手作りの肉まんとあんまんを出してくれた。
夕鈴が着替えている隙に、彼は夕鈴が狼陛下の分として別に取っておいたのを、盗み食いしてしまったのだ。
「あー・・・ごめん。魔が差したというか。我慢できなくて、つい手が出ちゃって」
「つい、だと・・・?そんな軽い気持ちで(夕鈴に)手を出したというのか?」狼陛下の目に再び昏い火が灯る。
「ちょっとつまみ食いしただけだよ」
「”つまみ食い”!?」
「なにも、そんなに怒らなくても・・・」
「これが怒らずにいられるかッ!!!!」鬼神モードMAXで狼陛下が吠えた。
相手が小犬陛下でなかったら、咆哮だけで文字通り魂消てしまいそうな威圧感である。
小犬陛下にしてみれば--
肉まんを盗み食いしたぐらいでこんなに怒りを買うのは理不尽な気もするが、夕鈴のお手製というプレミア付き肉まんなら、仕方ないのかもしれない。
(食い物の恨みは怖ろしいとは聞くけれど・・・。しかしなんでばれたんだろう、怖ろしい勘だ)もうひとりの自分に妙に感心してしまう小犬陛下。
「いや、その・・・ちょっとのつもりが途中で止まらなくなっちゃって・・・結局、最後(の1個)まで美味しくいただいちゃいました。本当にごめん」
「見損なったぞ、この、××××がッ!!」
「・・・・・・」
夕鈴にはとても聞かせられないような、汚い罵り言葉を聞き取って。
ああ、これはもうだめだな、と小犬陛下は悟った。
(戦いが避けられないなら--もっと怒って、平静さを失ってしまえばいい。煽ってやるか)
クス、と笑って、意味ありげに微笑んでみせる。
「食べ損ねちゃった君に教えてあげる。・・・すっごく美味しかったよ?--汁がじゅわっとあふれてきて(肉まん)--中は、ねっとりと熱くて(あんまん)・・・」
言葉を切って、下唇をぴちゃ・・・と舐めて見せた。
「・・・夕鈴のは最高だよ。ごちそうさま」

国王陛下愛用の名剣が、決戦の幕を切って落とした。
二人は激しく剣を交わしたかと思うと、すぐに離れ--そしてまた剣を合わせることを繰り返した。
まったくの互角。
剣の技量、性質、癖--何もかも同じで、どこにも差はない。
互いに、相手の次の行動が読めてしまう。
勝負は、決め手に欠けて長期戦になるか、あるいはごく些細なことでも決め手となって、短時間で決着がつくかのどちらか--

<つづく>



お約束の展開ですね!
しかし・・・キャラ壊れてるな・・・。(今さら)
深見も壊れてますが。すみません、こういうおバカなネタが大好きなんです。
あんまんのあんって、本当に舌やけどするかと思うぐらい熱いときありますよね。


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