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 ←【感想】5巻祭りだわっしょいハレルヤ♪ →ふたりの陛下 3
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ふたりの陛下/連続ss

ふたりの陛下 2(10月7日更新)

 ←【感想】5巻祭りだわっしょいハレルヤ♪ →ふたりの陛下 3
10月3日にいったんupしたのですが、加筆訂正しました。読まれた方、拍手いただいた方、すみません。
でも、萌え度は上がってると思います!
では、続きをどうぞ。

◇ ◇

三人の奇妙な共同生活が始まった。

和やかな夫婦の時間だったはずの夕食の時間は、今や小競り合いの絶えない紛争地帯に変わってしまった。
「夕鈴は、もう少し食べたほうがいいのではないか。今日庭を散歩していたときに感じたのだが・・・肩も、腰も、細くて、小さくて・・・やすやすと 私の手の中 におさまってしまう」
狼陛下は一語一語をことさらゆっくり発音した。夕鈴だけでなく、もう一人の誰かさんにもよく聞こえるように。
その、誰かさんの眉がぴくっと反応した。
「ふ・・・ふーん、夕鈴も大変だね。狼陛下の花嫁として 仕事で がんばってるんだもんね!・・・でも、僕といっしょにいるときは仕事じゃないんだから、無理しなくていいんだよ?」
「妃に指一本触れられぬお前が何を言うか」夫婦演技という大義名分を有する狼陛下は、余裕の構えを崩さない。
「僕は、夕鈴に触れてもらってるから。書類仕事ばかりで目が疲れたって言ったら、夕鈴が一生懸命、僕の肩をもんでくれてさ。すっごく、ヨかったぁ・・・」小犬陛下はご丁寧に蕩けるような表情で語ってくれた。
狼陛下の手の中で、箸がぎりぎりっ・・・と音を立てた。
「それは・・・、夕鈴も骨が折れたことだろう。私の手で夕鈴の疲れを労ってやろう」
「夕鈴を癒してあげるのは僕の役目だよ。僕がする」
「いや、私が」
「僕だ」
「私だ」
「~~~~二人ともいい加減にしてくださいっ。ご飯が冷めちゃうじゃないですか。食事中はケンカしない!」
(あーっとしまったーーっ、つい家にいる時の調子で・・・っ)
家に近所の子どもたちが遊びに来たときのように、二人まとめて叱り飛ばしてしまった夕鈴だったが。
小犬陛下はぽっと頬を赤らめ、「はーい」とはにかみながらおとなしく返事した。
狼陛下はぽっと頬を赤らめ、「・・・ハイ」と思春期の少年のような顔をして神妙に返事した。
性格が真逆の双子みたい、と夕鈴は思った。

夜は三人で過ごすため、妃が王の部屋で過ごすことになった。
やっぱり双六は人数が多いほうが楽しいですね!と笑ってみせる夕鈴に、お互い譲ったのか。
三人で双六をしながら、比較的和やかに時間は過ぎていった。
ゲームオーバーになったところで、夕鈴は切り出した。
「もう遅いから、私、そろそろ帰りますね」
「えー、夕鈴、帰っちゃうの?泊まっていきなよ。ね?」と甘える小犬陛下。
「私もそのほうが良いと思うが。夜は危ないしな」と微笑んでみせる狼陛下。
「君がそれを言う?」
「何か?」
「わっ、わかりました、泊まります!」不穏な空気を察して、夕鈴はとっさに割り込んだ。
「そっか」「そうか」と二人して笑顔になって、なんとか危機を回避したのだが。
夕鈴が長椅子で寝ると言い出したら、再び争いが勃発した。
「えー、そんな、夕鈴を長椅子に寝かせるぐらいだったら、僕が寝るよ」と小犬陛下。
「いや、私が」と狼陛下。
「僕が」
「私だ」
「待ってください、お二人とも。だいたいこの長椅子に陛下が二人お休みになるのは無理です。だから、私が長椅子に寝るのがちょうどいいんですよ」
夕鈴の頭には”自分とどちらかの陛下”という組み合わせは全くなかったため、このような発言になったのだが。彼女の提案は、二人には一顧だにされなかった。
「ならば、賭けるのはどうだ。勝ったほうが夕鈴と寝台で共寝する」と、とんでもない提案をする狼陛下。
「いいね。双六?サイコロ?」と速攻で乗っかる小犬陛下。
「もー、やめてくださいっ!それだったら、私が自分の部屋に戻ります!」
「では、私が送ろう」
言うや否や、狼陛下はいとも軽やかに夕鈴を抱きかかえた。
「へーかっ?」
「・・・いちいちお姫様抱っこする必要があるの?」小犬陛下はむー、とふくれ顔で突っ込んだ。
「ある。いつもと変わらぬ様子ですたすたと歩いて帰られたのでは、房事の後の風情がない」狼陛下は艶然とほほ笑んだ。
「それは・・・そうかもしれないけどさあ」
ご機嫌ななめの小犬陛下を置き去りにして、夕鈴の抵抗も無視して、狼陛下は足取りも軽く部屋を出て行った。

夕鈴を抱えたまま、狼陛下は夕鈴の部屋の中までつかつかと入っていった。一部の灯りだけ残すよう侍女に命じて、さっさと人払いしてしまった。
人払いをしても、いつものように小犬陛下には戻らず、狼陛下のままである。
狼陛下と二人っきり・・・!?と緊張する夕鈴の心の声が聞こえたかのように、狼陛下は低くささやいた。
「二人きりになれたな、夕鈴」
「陛下、降ろしてくださいってば!」
「我が妃の望むままに」
降ろされたのは--寝台だった。しかも、狼陛下に押し倒されるような体勢になっていた。
「あのっ、陛下・・・?」
「可愛い夕鈴・・・」
夕鈴を見下ろす目は、妖しく煌いていた。
「この日を待っていた・・・君がこの私を--『狼陛下』を、受け入れてくれる日を」
一体何の話ですかっ!?と反論しようとして。
そういえば、小犬陛下と三人でいるときは--狼陛下は小犬陛下といがみ合い、夕鈴はそれを仲裁することに気を取られていて。いつものようにどきどきしたり、びくびくしたりするひまがなかったかも・・・と思い出した。
(でも二人っきりでいると、やっぱりどきどきするんですけどっ!?)
狼陛下は、夕鈴の髪に触れてきた。
「君が私に対しても、ごく普通に接してくれる--そのことがどれほど嬉しいか・・・言葉では言い表せぬ」
だから、言葉の代わりに・・・と言わんばかりに、彼は夕鈴の髪を手に取って、口づけた。
(うわああああ!!普通になんかできませんっ!!)
「陛下、それはちが・・・」
「--違うのか?」
髪から唇を離して、狼陛下は低い声で聞いてきた。
その寂しそうな、切ない表情に、夕鈴の胸はきゅっと締め付けられて--

そのとき、甘い空気を散らす声がした。
「僕の花嫁を帰してもらおうか、送り狼くん」
「・・・無粋な奴め」
舌打ちして、狼陛下は体を起こした。夕鈴もあわてて体を起こした。
すぐそばに小犬陛下が立っていた。長身の彼が頭巾をかぶって薄暗がりの中に立っていると、お化けか何かのようだった。
夕鈴はあぜんとした。いくら夜で変装(?)しているとはいえ、間近で見られたらとてもごまかしきれるものではない。
「陛下、他の人に見られたらどうするんですか!?」
「そうだ、夕鈴の言う通りだ」
「偉そうに言える立場か、君はっ!」
眼鏡頭巾は狼に突っ込んだ。
「まったく、心配して後を付ければ案の定というか、なんというか・・・君がそのつもりなら、僕だって夕鈴といちゃいちゃするよ?君が政務に励んでいる間にね」
「夕鈴は否と言うに決まってる」狼陛下は鼻で笑った。
「さあ、どうかな。僕は君と違って、夕鈴に怖がられてないし」
「--!」狼陛下の顔色が変わった。
(ああっ、狼陛下から殺気が・・・!)
「やめてください、二人とも!!どちらの陛下とも、いちゃ・・・って、と、とにかくそういうのは無しですっ!!」
「「--」」
二人の陛下は顔を見合わせたかと思うと、早速お互いに喰ってかかった。
「あーあ、夕鈴に怒られたー。どこかの狼が見境無しにがっつくせいだ」と小犬陛下。
「お前こそ人畜無害な小犬面して、腹の中では何を考えているか、知れたものか」と狼陛下。
「ああもう、だから・・・いい加減にしなさいっ!!」
「「夕鈴・・・」」夕鈴の一喝に、大の男達はひるんだ。
「もう遅いんですから、二人ともさっさと寝て、明日に備えてください!いいですね!?」
「「・・・はい」」これ以上怒らせるのはまずいという判断は一致したのか、二人は神妙に返事した。
おやすみなさい、と夕鈴は二人を追い出してしまった。

それからというもの--
後宮では毎晩のように、王が妃を抱きかかえて歩く姿が見られるようになったとか。
また、後宮では夜になると道に迷った旅人のような亡霊が出る、という噂が立ったのも同じころだった。



そんなこんなで、ことあるごとに二人が張り合って夕鈴を奪い合うものだから、当の夕鈴はたまったものではない。
(だいたい陛下一人のときだって、こっちは大変なのに・・・二人なんて、もう無理!)
そもそも隠し事をすること自体、苦手だというのに。
つい最近も、侍女に嘘をつかなければならなかった。
侍女が「最近陛下はよく召し上がられますね」などと言うものだから、陛下があやしまれるのは困る!と、夕鈴はとっさにごまかしたのだった。
「いいえ、それは陛下ではなくて・・・私が食べているの」
「まあ・・・そうだったんですの?」と不思議そうな顔をする侍女。
「ええ、最近なぜか妙におなかがすいてしまって。なぜかしらね?ほほほ」
(うう・・・嘘をついたりするのって、苦手なのに・・・)

夕鈴は上司に直談判することにした。

李順は、陛下の自室で決裁済みの書類をほくほく顔で整理していた。
「・・・李順さんはご機嫌ですね」
「それはもう。なにせ仕事が今までの倍の速さで進みますからね」
彼は時折書類の中身に目を走らせながら、慣れた手つきでよどみなく整理していく。
一応夕鈴の話に耳は傾けているものの、手を止める気はさらさらないらしい。
”私、忙しいんですけど?”オーラ出しまくりだ。
しかし夕鈴はめげなかった。
「でも、やっぱり不自然ですよ。何か治療法があるんじゃないでしょうか。薬とかで治せないんでしょうか?」
「薬ねえ・・・」明らかに気乗りしないふうに彼はつぶやいた。
「もうちょっと、まじめに調べたり、誰かに相談したり・・・」
「相談ですか。誰に?」
「それは・・・こういうことに詳しそうな人ですよ」
「夕鈴殿。もともと陛下がお一人だったときから、陛下が実はあのような方だというのは秘密だったのですよ。それがさらに二人に分かれたなんて、一体どこの誰にどう相談すればよいというのですか?」
「うっ・・・」姑の反論に、夕鈴は詰まった。
「私とて、陛下の御身を案じる気持ちは同じです。しかし、陛下のお体も今のところ特に異常はないようですし--」
(いや、十分異常だと思いますけど・・・?)
「まあしばらくは様子見でいいのではないでしょうか」と、李順は一瞬たりとも悩んだことのないような、晴れ晴れとした顔で結論付けた。
(嘘だ、絶対嘘だーー!あなたは仕事が進めばいいんでしょうが!この鬼ーー!!)
「でもっ、私はお二人の相手をしなきゃならないから大変なんですよっ?」夕鈴は必死に食い下がった。
「それもそうですね。特別手当を出しましょうか」
「はい」
(ああっ、しまった、つい返事してしまった・・・これではこの状況を受け入れたのと同じ・・・? )
言いくるめられ、手なづけられて。夕鈴は外の廊下に放り出された。

はあ・・・と深いため息をつきながら、夕鈴は廊下を歩いていた。
ふと、中庭から爽やかな風が吹いてきた。夕鈴は立ち止まって、中庭を見やった。
よく晴れて風の穏やかな、気持ちのよい午後だった。まさにお昼寝日和。
(小犬陛下は今ごろお昼寝しているのかな)
陛下が二人になってから、陛下に余裕ができたのは確かだ。
一人に戻ってしまったら、陛下はお昼寝を楽しむこともできなくなってしまうのだろうか。
夕鈴は、そろそろ狼陛下がお茶をしに戻ってくる時間じゃないかと思い出した。
(こんな天気の日に、お庭をお散歩できたら、きっと楽しいわよね)
ふと、狼陛下の言葉が思い出されて。
あのとき陛下は、”書類に目を通しながら、うたたねしかけて・・・”と言っていた。
(そんなの、私、想像もしてなかった・・・)
忙しいのはわかっていたけれど、それほどとは思っていなくて。
今、二人が何かと夕鈴にかまってくるのも、ある意味、余裕があるからできることなのかもしれない。

夕鈴は再び歩き出して--その足取りには力が戻っていた--狼陛下を迎えるために、部屋へ向かった。

<つづく>



ふたりの陛下が夕鈴を取り合うのを書くのは楽しいなあ。
もうこのままふたりでいいじゃん!(え?)
食事シーンで狼陛下が箸をばきっと折ってもよかったんですが、木製じゃなくて象牙とか銀の箸かも?と思って却下しました。
前回でいただいたコメントを深見なりに消化して、加筆修正してみました。主な加筆部分は、夕鈴の部屋の寝所シーンです(笑)
話の大筋はそのままですが、おかげさまで萌え度は上がったと思います♪いかがでしょうか?
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