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リレーss

未成年、入室ご遠慮願います。 43

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二人が帰って、寂しくなってしまった夕鈴は、しばらくぼんやりしていた。
もう寝ちゃおう!と、布団の中に入った。
寂しいけれど、心はどこかほっとしていた。
……黎翔さんが何ともなくて、よかった。
なんとなく仲直りできたし、よかった……。
――黎翔さん……
やさしい黎翔さん。冷たい黎翔さん。
お仕事中のオーラ出してる黎翔さん。ピンクのエプロン着て、しょぼんとしていた黎翔さん。
黎翔さんのこと、もっと知りたい――
夕鈴ははっとした。
ううん、これは仕事よ!仕事に必要だから黎翔さんのことを知りたいの!
ぶんぶんと首を横に振っていたとき、携帯の着信音が鳴った。
「はい、もしもし」
「――夕鈴、ごめん、もう寝てた?」
たった今、その人のことを考えていた人からの電話だった。
一瞬で目が覚める。
「いいえ、大丈夫です!」
「そっか。ならいいんだ」
くすくすと低く笑う声。
「今日はごちそうさま。とても美味しかったよ。本当に」
「どういたしまして……」ぎこちなく答える夕鈴。
「それから、いろいろ……ごめんね」
「いえ、そんな……」
しばしの沈黙の後。
「夕鈴。週末、どこか行きたいところある?」
「う~ん……」
夕鈴は考えた。
家族と出かけたことのない黎翔のための、思い出作りには、どこがふさわしいか。
ファミリーが行って楽しめそうなところ……。
「動物園……とか?」
「いいよ」黎翔は笑いながら答えた。

――子どもっぽいと思われちゃったかしら?
電話を切った後で、夕鈴は不安になった。
ううん、これは黎翔さんのためなのよ!
私は黎翔さんのお母さん役!黎翔さんに楽しい思い出を作ってあげよう!
よし!と気合が入ったところで、夕鈴は眠りについた。

ところが――
「黎翔さん!ペンギンが歩いてるー!かわいい!」
「フラミンゴって、綺麗ですね~」
「ほら、キリンさんがご飯食べてますよ!」
いざ動物園に行ってみると、楽しんでいるのは夕鈴の方だった。
夕鈴ははっとした。
「……すみません、なんか子どもみたいにはしゃいじゃって……」
「どうして?夕鈴が謝ることなんかないのに」
「…………」
だって、黎翔さんのために企画したのに。
私ばかり楽しんでるみたいで。
黎翔さんは楽しんでくれてるのかな……?
じっと見つめると、彼は「?」というふうに首をかしげた。
……私がはしゃいでいる間、黎翔さんは「うん、そうだね」ってやさしく合わせてくれてたし……。
どう考えても彼の方が保護者役だった。
夕鈴はがっくりとうなだれた。
黎翔は、空を仰いだ。
「本当のことを言うとね……僕は子どもの頃にこういうところへ来たことがないから、どうやったら楽しめるのか、よくわからないんだ」
「黎翔さん……」
やっぱり失敗だったんだ。
ごめんなさい、と言おうとしたとき。
黎翔が、夕鈴の方を見て微笑んだ。とてもやわらかく、やさしい光を目に宿して。
「でも、夕鈴が楽しそうなのを見ているとね……それがわかりそうな気がするんだ」
「本当ですか!?」
「本当だよ。――君は僕が知らなかった世界を教えてくれる、大切な人だ」
黎翔は夕鈴の手を取った。
そして、半ば騎士のように、半ば恋人のように、口付けた。





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