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短編

はじめての 2

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彼は、ぎゅっと締められた唇を、ほぐすように口付けた。
夕鈴の唇は、やわらかくて。
腕の中に閉じ込めた体も、やわらかくて。
いいにおいがする・・・。
胸が温かくなるような、苦しくなるような、不思議な感覚が彼を襲う。
その感覚の正体を知りたくて、つい、深入りしてしまった。
やわらかい唇を割って、口内に押し入る。
みずみずしい粘膜の味に、渇きがいっそう掻き立てられる。
私を覚えさせたい、と欲望が沸いた。
全然たいしたことない、なんてこの愛らしい口が二度と言えないように。
君の唇に、舌に、口内の壁に、私を覚え込ませる--
 
反応がない、と気付き、次いで夕鈴の体ががちがちに強張っているのがわかった。
まずい、と我に返った瞬間、
「いやあっ!!」
夕鈴の拒絶が響いた。
兎は文字通り脱兎のごとく逃げ出した。
彼は追いかけるのも忘れて、その場にしゃがみこんだ。
途中から自分が制御できなくなって・・・いや、制御しようとする意思すら失われていた。
完全に我を忘れて没頭していた。
どうかしている。何をしてるんだ、私は。
 
謝ろうとすぐに妃の部屋へ向かったが、妃付きの侍女に面会謝絶を言い渡された。
しばらく時間を置くしかないか、と思ったものの。
夕鈴が食事を摂らないと報告されては、待っていられなかった。
逃げられた次の日の夜、彼は人払いをして、妃の私室へ乗り込んだ。
 
夕鈴は寝台の上で、布団をかぶって丸くなっていた。
彼が寝台の端に腰掛けると、布団の小山はすすっと遠ざかった。
・・・そんなに避けられてるのか・・・。
どよ~んと暗くなるが、仕方ないかと思う。
「夕鈴。ご飯食べてないんだって?」
返事はなかった。
「昨日はごめん。・・・僕のこと嫌っててもいいから・・・ご飯だけはちゃんと食べて?」
そのまま夕鈴の反応を固唾を呑んで伺う。
こんなとき、贈り物や見返りで懐柔できる相手なら楽なのに、とちらっと思う。楽だけどつまらないだろうな、とも。そもそもそんな輩には見向きもしないか。
夕鈴、君だけなんだ。君だけが僕の心を不安にさせる。
 
しばらくすると、布団がもそもそと動いて夕鈴が出てきた。
真っ赤に泣き腫らした目。
そんな顔もやっぱり可愛いかった。
「・・・陛下が嫌いなんじゃありません。自分がふがいないだけです」
「夕鈴は何も悪くないよ。僕が悪かったんだから」
茶色の頭はかぶりを振った。
「わ、私はプロ妃として、どんなことにも動じない鋼の精神を持ってなきゃダメなんです」
「またそれか。どうしてそんなにこだわるのかな。夕鈴は」
「だって・・・そうじゃなかったら、陛下のそばに、いられない・・・」
夕鈴はぐすっと涙ぐんでしまった。

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