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狼の毛皮をかぶって/連続ss

狼の毛皮をかぶって 4

 ←【語り】氾家の人びと →【考察】几鍔の兄貴は大人だ
(はー・・・なんでこんなことになっちゃったんだろ・・・)
こんなことを告げてしまうのは、すごく恥ずかしい。恥ずかしくて、頬がだんだん熱くなる。
でも、言わなきゃ!
「たっ、例えば--お仕事に集中しているときの顔、とか・・・」
「それだけ?」
小犬陛下のつぶらな瞳が、じーーっと夕鈴を見つめてくる。
夕鈴はありったけの勇気を振り絞って、言葉を続けた。
「あと、緊張した雰囲気が、ちょっとゆるんだときの顔、とか・・・」
「それから?」
~~~~っ。だめ、恥ずかしすぎる。
恥ずかしくて、どんどん顔がうつむいてしまう。
胸がどきどきする。 酸素足りないかも。
私、そういうときって、耳まで赤くなっちゃうのよね・・・。よくそれでからかわれたっけ。うう、やだなあ・・・。
でも、がんばるっ。

むぐぐ、と唇を噛み締めて--あんまり強く噛み締めたので、血の味がした。
ぷは、と開く。
「わ、たしの・・・名前を、呼んでくれる、とき、とか・・・」
「夕鈴」
不意に名前を呼ばれて、夕鈴はびくっとした。
顎を触れられたかと思うと、くい、と引き上げられた。

「・・・可愛いことを言ってくれる」
狼陛下が微笑んでいた。
(うぎゃーーっ、出たーーーっっ!!)

そんなに力を入れているとも思えないのに、陛下の指はしっかりと夕鈴の顎をとらえていて。
顔をそらしたくても、できない。

指が、唇に触れた。
指の腹が、唇をゆっくりとなぞる。
まるで、怪我をしていないか確かめているかのように、そっと。
怪我を癒そうとするかのように、何度も。
ふいに、指先に力がこめられて--夕鈴は思わずぴくんと身をすくめた。
狼は、いっそう満足げな笑みを浮かべた。

唇が、そっと、押し開かれて。
がたっ・・・と陛下の座っていた椅子が音を立てた。

狼陛下の顔が近づいてくる。
--それは、今までに見たことのない顔で。
・・・今までで一番、心臓が跳ねた。

どんっ!
夕鈴の腕が、勝手に陛下の体を突いた。
あっ、しまった、と思う間もなく、夕鈴の重心が、ふらぁ・・・と失われる。
(え--?)

前のめりにがっついている狼と、逃げようと後ずさる兎では--反動で、兎の方がはじき飛ばされてしまったのだった。

--がたん!
夜の静けさに不似合いな乱暴な音を立てて、夕鈴の座っていた丸椅子が倒れた。

夕鈴は、何か大きなものにがっしりと締め付けられながら、その音を聞いた。
気がつくと、彼の懐にすっぽりと包まれていた。
狼陛下に抱きしめられていた--強く、身動きできないほどに。
「まったく、君には--はらはらさせられる・・・」
耳元で、低くつぶやかれて。
深いため息がかかって。
息もできなくなる。

「へ、あ、う」
ぱっと戒めが解かれた。
「夕鈴、大丈夫?けがとかない?」
小犬陛下のやさしい声も、固まってしまったた夕鈴を溶かすことはできなかった。
「・・・大丈夫だったら、いいんだ。ごめんね、夕鈴。えーと、じゃあ・・・オヤスミ」
心配そうな顔をして、何度も振り返りながら--しゃらん、と帳を開けて、彼は姿を消した。

ひとり残された夕鈴は、へにゃへにゃとその場に崩れた。
(うわーーーーーーー!! )
い、今の、何!?
陛下の、力強い腕。広い胸。厚い胸板。
ふだんは、そんなのちっともわからなかったのに--
ぼぼぼぼっ、と頬に火が点く。
(へ、変なこと考えないっ!!)と、袖をばたばたとあおぐように振って、打ち消す。

跳ねている心臓を抑えるように、そっと胸の上に手を載せる。
落ち着け、心臓--
今のは、私が倒れそうだったから、助けてくれただけ。
ただそれだけのことなんだから、こんな風にドキドキするのはいけないことだ--・・・





(失敗した・・・)
妃の部屋を後にした王は、わが身を省みた。

あんなに、顔を真っ赤にして。 唇を噛み締めて。
よほど恥ずかしかったんだろう。
それでも、彼女は言ってくれた。
--彼のために。
それが嬉しくて。一生懸命な彼女がいじらしくて。
いとおしいと思う気持ちが、止まらなくなってしまった。

これから先、同じことが起こらないという保証はどこにもない。
また事故まがいのことが起こるのは御免だ。
さて、どうしたものか・・・



--それから後、狼陛下は”安定感のある長椅子”に妃を押し倒すようになったとか。



~終~

…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…-…

お読みくださってありがとうございます☆
原作を読みながら
(陛下、あなたという方は、いちいち押し倒さないと話ができないんですかっ!?)
なんて考えてたら、こんなオチになってしまいました。
いかがだったでしょうか?
感想などいただければとってもうれしいです☆ 深見 拝




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~ Comment ~

素敵です。 

思いあまってまたコメントさせていただきます。挨拶は26話感想のコメントでさせていただいたtaitaiです。
素敵です。こんなシチュエーションが原作であったら、、、、と考えるともだえます。(失敗した・・・)場所はそこですか!!懲りない陛下は大好きです!!懲りずにガンガンいってほしいものです。
陛下は、人を説得する時、狼陛下で脅して従わせることが多いんだろうなぁ。夕鈴にはそうもいかないので、押し倒して脅迫・・・イャイャ、説得を試みるのかなぁなどと考えてみたりして。。。。う~ん。いろんな意味で陛下も興味ぶかいですね。

>taitaiさま 3 

またまたコメントありがとうございます!!
いや~、たくさんコメントいただけて本当に嬉しいです。
思いあまるなんてそんな、あまったらもったいないですから、じゃんじゃん書いちゃってください(^^)
陛下は絶対懲りないと思います!
ホントになんであの人わざわざ押し倒すんでしょうね。もちろん、自分の趣味も入っているんでしょうが(笑)
相手の一番弱いところを攻めて、自分が有利に立とうって腹なのか?夕鈴の場合、男慣れしてないから、ああなる、と。一石二鳥ってやつ?いや、将来への布石(そういう状況に慣らす)も入れて三鳥?読者サービスも入れて四鳥か?興味は尽きないですね!
狭苦しいところですが、ぜひまた遊びにいらしてください♪
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