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 ←【感想】第43話 心ひとつ →ご用心(小ネタ)
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短編

連鎖

 ←【感想】第43話 心ひとつ →ご用心(小ネタ)
お子様ネタ?陛下視点。
シリアス。甘さなし。








彼は玉座に座っていた。
あたりには血生臭い匂いが充満していた。玉座の周りには、おびただしい血が流されていた。
屍を乗り越えて、男が現れた。
男は彼に向かって剣を向けた。
それまではっきりと見えなかった顔があらわになる。

自分と同じ顔をしていた。

その顔に、自分と同じように冷酷な笑みを浮かべて、言う。
「ご譲位を--父上」


自分の叫び声で、目が覚めた。


「陛下・・・大丈夫ですか?」
かたわらの夕鈴が心配そうに声をかけてきた。
「夕鈴・・・」
汗を吸った夜着が、冷たく重い。
彼は身震いした。
「服をお取替えしますね」
夕鈴は新しい衣を用意し、てきぱきと手際よく着替えを手伝った。
着替えが終わると、やわらかな手が遠慮がちに彼の頬に伸びてきた。
「ずいぶんうなされてましたけど・・・」
「うん。嫌な夢を見た」
「またですか。この前もそうでしたよね。・・・そんなにお仕事大変なんですか・・・?」
「--」
君には言えない。
周りからも家族からも愛されて育ち、それが当然だと思っている君には。
王位をめぐって争い合う--親兄弟といえども信用できない、いや、近親者だからこそ油断できない--そんな関係のあり方を、話せるはずがない。
「まあ・・・いろいろとね」彼はあいまいにはぐらかした。
「ご政務のことに口出しするつもりはありませんけど、少しお休みになった方が」
「僕は大丈夫だよ、夕鈴」にっこりと笑顔を作ってみせる。
「でも・・・」
「この子のためにもがんばらなきゃね」彼は夕鈴のふくらんだおなかをやさしくなでた。
夕鈴はくすぐったそうにほほえんだ。
それを見た彼もほほえみを浮かべた。

夕鈴の子だったら愛せると思う。しかし内心の不安は消せない。
いつかは後継ぎが生まれるだろう。でも今はまだ、猶予が欲しい。
せめてこの子は姫であってくれたら・・・、と密かに願わずにいられなかった。



数週間後--

「王太子様のご誕生です!!」
産屋からの知らせに、控えの間はわっと沸き立った。
彼は人知れずため息をついた。神は猶予を与えてくれなかったようだ、と。
彼は場にそぐわない険しい表情になっていたが、周囲はそれを見ても正妃の体調が心配なのだろう、としか思わなかった。

我が子を愛せるだろうか。
夕鈴は、親は子を愛するものと信じて疑わないだろう。
夕鈴の期待を裏切る、それは彼にとって最も辛いことだった。
私が我が子を愛せないと知ったら、あの愛らしい顔がどんなに悲しい色を浮かべるだろう・・・
それを思うと、腹が据わった。
我が子を愛する父親を演じればよいのだ。
もし、真に愛することができなくても、ふりならできる。それについては自信があった。
たとえその演技が生涯続くことになろうとも--
彼は戦場に赴く兵士のように、覚悟をかためた。

対面した赤子は、真っ赤な顔をして泣いていた。
うながされて、抱いてみる。
それは小さくて、驚くほど軽かった。
「陛下。もっとしっかり抱っこしてあげてください」
夕鈴に言われたとおりにしてみると、生まれたばかりの生命の温もりが伝わってきた。
抱いていると、とても温かかった。

--胸が熱くなった。
「ありがとう、夕鈴・・・」
言葉が自然と出ていた。演技はもう必要なかった。

それ以来、悪夢を見ることはなかった。



同じ場所で、二十数年後。

「少し落ち着いたらどうだ」
もうすぐ祖父になろうとする国王は、父になろうとする太子に向かって言った。
「はあ・・・」
控えの間でせわしなく歩きまわっていた太子は、あきらめたように座った。
「父上はさすが、慣れていらっしゃいますね」と笑う。
顔の作りは父親似だが、笑うと母親そっくりになる。温かな心としなやかな強さを兼ね備えた母に。
そんな息子を彼はほほえましい思いで見守った。
太子は興奮しているのか、そわそわとしゃべり続けた。
「しかし・・・親になるというのは、うれしいことばかりではないですね。プレッシャーです。・・・父上が私にしてくださったことと同じぐらいのことを、我が子にしてやれるのかと」
それを聞いた彼は瞬きして、ゆっくりと答えた。
「お前ならできるとも。それ以上のことを」
「そうでしょうか・・・」
そのとき、太子の弱気に異を唱えるように、大声が響き渡った。
赤ん坊の泣き声が。



~終~



すいません、出産ネタになってしまいました。
実際の陛下はあんまりぐだぐだ悩んだりしなさそうですが・・・
孤高の存在が温かな心によって救われる、というのは深見が大好きなテーマなのでv
さくらぱんさんのお子様設定「顔立ちは陛下似、笑顔は夕鈴似」に萌えました(笑)
(こんなんでOKなら^^;)さくらぱんさんに捧げます。


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~ Comment ~

ありがとうございます!!! 

深見さん
こんばんは
さくらぱんです。

えっ!?えっ!!
ホントにほんとですか!?
むぎゅっ・・・・(抓ってみた。痛い!!!)
嬉しいです、深見さん。
うわぁ・・・・嬉しすぎて、今晩は眠れそうに無いです!!!

>さくらぱん様 Re: ありがとうございます!!! 

だめですよ、ちゃんと寝てください(^^;)
喜んでいただけてよかったです♪

誘導リンクさせて下さい。 

深見さん
こんばんは
さくらぱんです。

昨日は、舞い上がってしまい
連続コメント・メールで、乱筆失礼しました。

そりゃ、もう、とっても嬉しいです。
深見さん
今日一日中、HAPPYでした。

しかもUPの日が、偶然とはいえ、Sさんの退国の日。
すごく淋しかったので・・・・励まされた気持ちです。
すごく嬉しかったんです。ありがとうございます。

あ・・・・          ご報告。
なんだかんだ言っても、しっかり寝てました。
・・・・・・人間は、睡魔に勝てないものですね。←苦笑。

先日のメールのお言葉に甘えて、
『花の四苛』でご紹介したいので・・・
『母子草ーははこぐさー』と『連鎖』をページリンクさせて下さい。
もうこちらは、さくらぱんの宝物です。
大事に大事に致します。

深見さん
ありがとうございました。

さくらぱん



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