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 ←◆◆1 たまには、こんな夜 2 →【感想】第34話 世の中は狼ばかり
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兎女王シリーズ(by深見)

美しい罠 2

 ←◆◆1 たまには、こんな夜 2 →【感想】第34話 世の中は狼ばかり
立場逆転パラレル、狼将軍×兎女王。本物夫婦。
いまさらですが、「美しい罠」の続きです(^^;)一応続いてるつもりです。
話の都合上、オリキャラが出張っております。
今回はドタバタコメディ(・・・って通用します?)路線。黎翔×夕鈴←その他。

これまでのお話:白陽国に外国の使者が訪れて・・・。


◇ ◇


狼将軍の子飼いの隠密・浩大は、杯をくっと飲み干した。
「今度の使節団、変わったお客さんが紛れ込んでるみたいだよ」
「というと?まさか刺客でもあるまい」
「女王サマのところにはいろいろ縁談が来てるけどさ、黄土国の第三王子との話も来てるでしょ」
それまで顔色ひとつ変えなかった珀将軍が、すっと目の色を変えた。
やれやれ、相変わらずだね、と付き合いの長い隠密は内心おかしくなった。きな臭い報告をしても眉一つ動かさないくせに、女王サマのことになると、とたんにこうだからなあ。
将軍は眉をひそめたままつぶやいた。
「あの国は第一王子と第二王子の派閥争いが激しくて、確か第三王子は後継者争いから早々に脱落したという・・・」
「そっ。後継者争いに加わるより、白陽国の婿におさまったほうが得と思ってるのかもね」
「では何か?その話を進めに来たのか?」
「いや、それがさあ・・・」



--女王陛下が貴方と内々に話をしたいと仰せです--
その知らせを受け取った黄土国使節団の一員は、上機嫌で仲間に打ち明けた。
「こちらの女王はかわいい顔をしてなかなか大胆だな。下級官吏に身をやつしていても、やはりこの俺のオーラは隠しきれなかったか・・・」
いやー、参った参った、とつぶやくその顔は、全然参っていない。
打ち明けられた仲間は、ため息をついた。
「だから言わんこっちゃないですか!ああ、殿下が白陽国の女王を一目見たいなどとおっしゃるから・・・」
「だって縁談が持ち上がっているんだろう?どんな女か気になるじゃないか」
「こんな形でお目見えするなどマナー違反です!」
「大丈夫だって!」
王子は彼の側近に向かって明るく言ってのけた。
満面の笑みを浮かべるその顔立ちは、かつて絶世の美女と謳われた生母ゆずりの美貌である。女と戯れるしか能がないと評されている彼は、せめて白陽国の婿になって役に立て!と父から命じられたのだ。
そこで彼は側近に頼み込んで、身分を隠して使節団に紛れ込んだのだった。
「いやー、でも意外だったな。もっとおっかない感じかと思ってたけど、かわいいよな~。蒋幹のおべんちゃらに赤くなっちゃったりしてさ」
蒋幹というのは今回の使節団の代表として女王に挨拶を述べた者だ。王子がその役をやりたいと言ったのだが、側近に却下されたのである。<正確には女王が赤くなったのは別の理由からなのだが、王子は知る由もない。>
「殿下・・・前向きなのは結構ですが、くれぐれもお立場をお忘れになりませんように」
「わかってるって。じゃ、逢引に行ってきまーす」

彼は女官に案内されて、王宮の中を歩いていった。
白陽国の王宮は質素だが、貧相ではない。権勢を誇示するようなけばけばしさとは対極的な、居心地がよく安らげるような雰囲気だ。古くて良いものをきちんと手入れしてさりげなく使っている奥ゆかしさが、趣味人といわれる彼の目にも好ましく映った。
(住まいは住んでいる人の人となりを表すというが・・・なるほどな)
先代の女王が崩御し、後継者争いが勃発しかけた白陽国に、突如表れた新女王--それが今の女王だ。
縁談が持ち上がってからというもの、王子のところには黙っていても女王に関する噂がいやというほど集まるようになった。
女王は恐怖で人を操る怖ろしい女だとか、色で男を操る妖艶な美女だとか。
だが実際の女王は、年相応の可憐な乙女だった。
(噂なんてあてにならないものだな。まだ年若い女王が意外と一国を上手に切り盛りしているというので、妙な憶測を呼ぶのだろうが・・・くだらない。現実的に考えれば、女王は傀儡で、裏で糸を引いている者がいるのだろう)
しかしそれが誰なのかはいまいちはっきりしない。
大貴族の氾氏や柳氏か、あるいは女王の夫で軍とのパイプが太い珀将軍なのか。あのいかにも切れ者らしい女官長もあやしいが・・・。
そういえばあの女官長はなかなかの美人だったな、と思い出して、王子はにやりと笑った。
(おっと、いかんいかん。今は女王のことを考えなくては)
王子は気を引き締めた。

女王は侍女に付き添われて、庭の散策をしていた。
花を愛でている女王は、会見の折とは違ってとても自然で、うららかな春の風景に溶け込んでいた。まるで、春の女神のように。
女王は彼を認めると、人払いをした。
彼は仮の身分にふさわしい礼を取ろうとしたが、女王にやんわりと止められた。
「堅苦しい挨拶は抜きにしませんか?貴方は本当はもっとご身分の高い方のようにお見受けいたしましたが」
堅苦しい挨拶を抜きにするのは、彼の望むところでもある。彼は女王の言う通りにした。
「陛下はなぜそのように思われたのですか?」
「会見の折、貴方は末席においででしたけれど・・・なぜかしら、使節団の方たちが、使節団の代表よりも貴方のほうを気にかけておいでのようでしたから」
ほう、女王はなかなか洞察力がおありのようだ。噂では幼少のころは病弱だったというが、病人特有の勘の鋭さなのだろうか。
だが、目の前の乙女には、病弱だったという過去を感じさせるものは何もなかった。
つややかに輝く髪。みずみずしい肌。大きな目には生き生きとした生気があふれている。
彼は取っておきの親密な笑顔を向けた。
「陛下のご慧眼にはかないませんね。ご明察の通りです。私は黄土国の第三王子、昆陽と申します」
「まあ、王子様でいらしたの・・・?」大きな目がいっそう大きく見開かれた。
「いけなかったでしょうか」と言いつつも、彼は女王の反応に内心満足していた。
「いいえ、そんなことは。少し驚いただけです。お会いできてうれしいです、昆陽様。実はぜひ貴方にご相談したいことがあって・・・その、内密に」
「私でお役に立てることでしたら、喜んで」
彼の返事を受けても、女王はまだもじもじしていた。話したいことがあるのだけれど、どう切り出したらよいのかわからないといったふうである。
(こういったことには慣れてないようだな。・・・そんな女性に大胆な行動を取らせるとは、俺も罪作りだな)
どこまでも前向きな王子である。

一方、夕鈴はといえば--
(ふう・・・困ったわ。どこから話せばいいのかしら。まさか、いきなり芋をくださいとは言えないわよね)
夕鈴は甘藷が大好きだ。特に黄土国の甘藷はとても甘くて美味しいのだが、高い。
だから王宮の菜園に、黄土国から贈られたという甘藷を見つけたとき、うれしくてわくわくした。
ところが、花をつけるところまではうまくいくのだが、肝心の芋が育たない。白陽国では栽培が難しいのだという。
自分の家の庭で栽培して、食べられるようにするのが夕鈴の夢なのだが。やはりあきらめるしかないのだろうか。
黄土国の使節が来ると聞いたとき、相談できるチャンスだと思った。
そこで、まずは年が近くてやさしそうな雰囲気で、話しやすそうな彼にそれとなく聞いてみよう、と思ったのだが。
(まさか王子様だったなんて。それじゃあますます上品な会話をしないとだめよね。甘藷の話はしづらいなあ。うう、どうしよう・・・)
すると、王子から提案があった。
「よろしかったらお庭をご案内していただけませんか?白陽国の花は美しいと評判ですから」
「ええ、喜んで」夕鈴はほっとして、その提案に飛びついた。
二人は並んで歩き出した。
自然と会話は白陽国のことになった。
王子がさすがよくご存知ですね、と褒めると、夕鈴はいいえ、と答えた。
「自分の国のことなのに、知らないことがまだまだたくさんあります。我が国の花がそんなに評判だったとは、存じませんでした」
「皆が噂しておりますよ、陛下。白陽国の後宮に咲く、美しい一輪の花・・・」
そこで王子は夕鈴をじっと見つめてきた。
そのまなざしには熱がこもっていた。
「気高い香りに誘われて、はるばる参りましたが・・・そのかいがありました。噂よりもずっとお美しい」
「はあ・・・」
(この人、園芸が趣味なのかな?)
そういえば聞いたことがある。王侯貴族や富豪の中には、珍しい動植物をコレクションしたり、育てたりするのに精を出す人もいると。趣味のためには金に糸目をつけず、労を惜しまないと。
「殿下はそのためにわざわざいらっしゃったのですか?」
「そうですとも、陛下。・・・私の気持ちをおわかりいただけましたか・・・?」
強く訴えかけるようなまなざしには、並々ならぬ情熱が感じられた。
こんなに熱意のある人なら、きっと植物にも詳しいに違いない。
甘藷の名産地である黄土国の王子で、植物にも詳しいなんて。甘藷のことを相談するのに、これ以上適任の人材は考えられないだろう。
夕鈴は感激した。
「貴方にお会いできてよかった・・・きっと神様のお導きですわ!」



~つづく~



夕鈴はこれぐらいの大ボケはやってくれると思う。っていうかやって欲しい(笑)


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