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狼の毛皮をかぶって/連続ss

狼の毛皮をかぶって 3

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「あのね、夕鈴。話があるんだけど」
その日の夜、いつものようにふたりでお茶を飲んでいるとき--陛下があらたまって切り出してきた。
「・・・夕鈴が欲しいって言ってた毛皮なんだけど・・・李順に相談したら、却下されちゃった」
「そうですか・・・」
(よかった・・・)
しゅんとしながら残念そうに言う陛下とはうらはらに、夕鈴は内心ほーっと胸をなでおろした。
「うちもけっこう財政厳しくて・・・。珍しく夕鈴が欲しいって言ってくれたから、プレゼントしてあげたかったんだけど。ごめんね、かいしょーなしで・・・」
小犬陛下はしゅーんとしょげきっている。
「ち、ちがいますよ、陛下。私は別に--」
最初から欲しかったわけじゃないし、とはさすがに言えない。
(うう、私、人をだますのとか性に合わないのに・・・一度嘘をつくと、どんどん上塗りしなきゃならないはめになるんだなあ・・・)
「やっぱり、よく考えたら、私のシュミじゃなかったかなーって。えーと、ほら、お手入れとか大変そうだし、収納もかさばりそうだし。私には重くて、肩がこっちゃいそうですしね?」

くす、っと陛下が笑った。
「そうだね。・・・確かに、肩、凝るかもなあ・・・」
「ほらー、やっぱり!そうですよねっ?」
陛下が笑ってくれたことにほっとして、夕鈴は笑顔で力強く肯定した。
それから、あ、と気がついて。
「でも、あの・・・陛下が肩が凝るんだったら、あまり着ない方がいいんじゃないでしょうか?」
「うーん・・・まあ、仕方なくというか」

--え?

彼は夕鈴が入れてくれたお茶を両手で囲んで、目を落としていた。
「・・・ああいうのは、王権の象徴っていうのかな。綺麗に言えばそうだけど、要は単なるこけおどしだ。--そういうものに頼らなきゃならない僕も、かっこ悪いけど」

(陛下・・・)

いつも自分の表情を隠すのが上手な彼の、寂しそうなたたずまいが、夕鈴の胸を切なく苦しめる。
そんな悲しい顔を、しないで欲しい--
「・・・そんなことないですよ。お仕事なさっているときの陛下は・・・かっこいいですよ?」
「・・・本当に?」
「本当です」
「--どこが?」
陛下が、夕鈴の顔をのぞきこんでくる。一瞬どきっとしたが、よくよく見ると、小犬陛下だった。
「どんなとこがかっこいい?ねえ、夕鈴」
先ほどの寂しげな表情はどこへやら。
彼はまるで、散歩に連れて行ってもらえるのを待っている小犬のような顔をしていた。
小犬がぱたぱた、としっぽを振りながら、わくわくした表情で、じっと夕鈴の答えを待っている。

(無理ですっ。いくら小犬陛下の頼みでも、それはちょっと・・・!)
「どっ・・・どんなとこって聞かれても、そんな、そういうことは、すぐには言えませんよっ」
「そっか・・・ごめん、気を遣わせちゃって。夕鈴、優しいから、慰めてくれたんだね・・・」
しょぼん、とする小犬陛下に、夕鈴はあわててしまう。
「そんなんじゃないですっ、本当にそう思ってるんです!!」
「うん。じゃ、言って」
「ううっ・・・じゃあ言いますよ?」
「うんうん」




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あーあ、罠にかかっちゃった。

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