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若い陛下×大人夕鈴シリーズ

可愛い人 1

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ユエ様の大人陛下を読んでて、やっぱり気になってしまった大人夕鈴。
十数年後の夕鈴を妄想してたら、深見の夢が暴走してしまいました。
ユエ様の雪宵秘話のスピンオフ(またかよって感じですが^^;)、年下陛下×大人夕鈴です。

追記:残念ながらユエ様は現在サイトを閉鎖されていて、オリジナルは読めない状態です。
オリジナルは、正妃になった夕鈴が十数年後の世界に迷い込み、未来の陛下(30代半ばぐらい)と出会うというお話です。

◇ ◇

回廊の外を見やると、月明かりの下、見事な雪景色が広がっていた。
夕鈴と雪見したかったなあ・・・と王はとぼとぼと夜の後宮を歩いていた。
自室に入る前にいつもと違う気配に気付き、彼は警戒しながら部屋の中へ足を踏み入れた。

長椅子で、夕鈴がうたたねしていた。
彼が見たことのない装いをしていて、なんだか別人のように見えた。
女とは髪型ひとつでこれほど変わるものなのか。髪をきちんと結い上げているせいか、ひどく大人びて見えた。
夜着にも着替えずに、彼を待っていたのだろうか。
先に休むように言ったのに・・・。
彼は口元をほころばせて、寝顔を見ようとのぞき込んだ。
--違う、これは夕鈴ではない!
新手の刺客か、と反射的に身構えた。
しかし、目の前の顔があまりに夕鈴と似ているので、つい見入ってしまう。
腹立たしくなるほどに、女は夕鈴とよく似ていた。
紅を効果的に使った衣装はなまめかしく、胸元に男の目を吸い寄せるような代物だ。
よく見ると、彼が夕鈴に贈ったものと同じ髪飾りを付けていた。
--盗賊の類か、何かの罠か。
彼は簪を抜き取って、直接触れるのもいまいましく、それでぐい、と顎を上に向かせた。
「ん・・・」
謎の女は目をぎゅっとさせてから、薄目を明けた。
「陛下・・・?」
声まで怖ろしいほど夕鈴に似ていた。
女は彼のほうをぼんやりと眺め、何度かまばたきを繰り返した。
きょとんとした顔をして、子どものように目をこすった。
その表情、そのしぐさ。
「君は・・・夕鈴なのか?」
「・・・どうかなさいましたか?」
眠りから覚めたばかりの彼女は、静かな池にぽうっと咲いた睡蓮を思わせる風情だった。
静かな池の、小さなさざなみのように、彼女は小首をかしげた。
それは夕鈴がよく無意識に行うしぐさだった。
夕鈴だ、と直感が降りてきた。
夕鈴は不思議そうな顔をした。
「・・・私はまだ夢を見ているのでしょうか。陛下が・・・お若い頃のお姿をしているように見えますけれど」
「僕には、君が・・・大人になったように見えるよ」
--そういえば、こんな雪の日には不思議なことが起こるという話を聞いたことがあるような--風水が乱れ、時間と空間がゆがむとか、確かそんな話だった。
「そうか。君は、未来の夕鈴なんだね」
一見、突拍子もない考えだったが、それがすとんと腑に落ちた。
「では、貴方は・・・やはり陛下なのですか?」
「そうだよ。君から見れば、過去の時代の黎翔だけど」
彼は夕鈴の隣に腰を下ろした。
「ここではときどきこんなことが起こるらしいんだ。過去と未来が交差したりね。信じられない?こんな話」
「いいえ、わかります。--その話し方・・・本当に昔のままですね」
彼女は懐かしそうに笑った。見る者を惹き付けずにはおかない、人なつこい、あたたかみのある笑顔だった。
それでいて未来の夕鈴は、犯しがたい気品をごく自然にまとっていた。それは彼女の生来の愛らしさと混じり合って、抗しがたい魅力を醸し出していた。
「今はいつごろですか?私はまだ、臨時花嫁を?」
「いや、今年の春に僕達は正式に夫婦になった」
「ああ、それで・・・それにしても、よく私がおわかりになりましたね。私は陛下を覚えていますけれど・・・陛下は私をご存じではないのに」
「わかるよ。君はあまり変わってないから」
「そう・・・ですか?私の陛下にもよく言われますけれど、貴方にも言われるなんて・・・私はこれでも、少しは正妃らしくなったかと自負していたのですが・・・」
彼女はむぅ、と面白くなさそうに唇をとがらせた。
そんな気取らないしぐさが、彼女が自分だけに心を許してくれているのだと錯覚させる。
彼女のこんな顔は、自分だけが知っていたいと独占欲を掻き立てる。
--未来の僕も、こんな妃を人の目にさらすのは、さぞ気が気じゃないだろうな--と彼は他人事のように思った。
未来の自分が彼女を深く愛しているのは間違いない。彼女の内側からほのかに光るような、真珠のごとくおだやかな輝きは、愛されているという自信が放つものだろう。
ほっそりした体の線は、生硬さが消え、女らしくまろやかになっていた。
「ごめん、僕の言葉が足りなかった。--素敵になったね、夕鈴」
「・・・からかわないでください」
彼女は頬を染め、袖で顔をかくしてしまった。
そんなちょっとしたしぐさにも、愛されている者に特有の、しっとりとした余韻があった。
若い陛下は、夕鈴をこれほど見事に開花させた未来の自分に嫉妬を覚えた。
(上品で貞淑な人妻、かあ。・・・そういうのって、危ないよね)
彼はまるで王の妃に横恋慕する臣下のような気分を味わった。



夕鈴ははっとした。稲妻のように記憶がよみがえる。
若かった頃、未来の陛下と出会って--睦み合った記憶が。
「あの、陛下。夫婦になって初めての雪見は・・・もうなさいましたか?」
「まだだよ。ここのところ忙しくて。今日なんか雪見日和なのに、惜しいことをしたな」
時空のゆがみ。初めての冬。雪見。符号はそろった。
では、今ごろ--若かった頃の私と、陛下は・・・!?
どうしよう・・・この人にそれを気付かせてはならない。鉢合わせなんて事態は絶対に避けたい。
夕鈴はめまぐるしく考え始めた。
自分の部屋でうとうとしていたはずなのに、いつのまにか過去の陛下の部屋にいる。どこでどう時空が繋がっているのかわからない以上、あちこち動き回らずに、できるだけ一箇所に留まっていたほうがいい。
なんとか一晩、彼をここに足止めできれば・・・。
「夕鈴?どうかした?」
「いえ、なんでもないです。・・・すみません、少し考え事をしていて・・・」
「何を考えていたの?」
「あの・・・どうしたら元の世界へ返れるのかと、思って」
「そっか。君が心配するのも無理はないね。確か書庫に文献があったと思うんだけど」と彼は立ち上がった。
「待って!」夕鈴は彼の背中に叫んだ。
彼は笑顔で振り向いた。
「大丈夫だよ、すぐに戻ってくるから。ね? 書庫は寒いから、君はここで待ってて」
そう言って、すたすたと歩いていく。
「待って・・・待ってください」夕鈴は駆け寄って、彼の袖をつかんだ。
「夕鈴・・・?」
「思い出しました。雪が止めば帰れるんです」
「そうなの?」
「だから、それまで・・・ここにいてくださいませんか・・・?」夕鈴は彼を見上げて、必死に懇願した。
「ここに?・・・君と一緒に?」
「ええ。この雪が止むまで・・・」
夕鈴は言葉を切って、彼の表情をうかがった。
「・・・うん」彼は、はにかんだような笑みをこぼした。
夕鈴はほっと胸をなで下ろした。
が。
「素敵な誘い文句だね、夕鈴。・・・僕、どきどきしちゃったよ」
「・・・は?」
彼はぽっと頬を染めて、熱っぽいまなざしで見つめてきた。
「君のほうから求めてくれるなんて・・・うれしいよ、夕鈴。僕、がんばるからね!」
と、片手でしっかと手を握られ、片手でがしっと抱き取られてしまった。
「ま、待ってください、陛下」
「焦らさないで、夕鈴。誘ったのは、君だよ?」
笑っているけれど、その顔には逃がさないよと書いてある。
(さ、誘った、って・・・そんな深い意味はないんですけどっ!?)
「陛下、よくご覧になってください。今の私は、陛下よりずっと年上なんです」
獲物を狙う狼の目で、舐めるように見られて。
「ああ。君がこれほど美しく咲こうとは・・・未来の私が妬ましいな」舌なめずりするような、低くかすれた声。
夕鈴は丸裸にされたような気がして、思わず自分が衣服を着ていることを確認せずにいられなかった。
「そっ、それに、もう子どもを産んだ体ですし!」
「そうか。君の子どもなら、さぞ可愛いだろうな」
「ええ、それはもう。皆、元気でとても可愛いくて・・・って、陛下!?」
彼はひょいと夕鈴を抱えていた。
「まだ、何か?」
深紅の瞳は、彼女の反論を面白がるように、きらめいていた。
--この流れにのってしまうのが・・・彼を足止めし、時間を稼ぐには一番だ、と頭の片隅で声がした。
でも、何かが邪魔をして、それを拒んだ。
年下になってしまった夫に自分の体を見られたくないとか、そういうことのほかに、もっと根源的な何かが。
夕鈴は息を整え、彼をひたと見据えた。
「私は・・・貴方の夕鈴ではありません」
「いや。君は私の夕鈴だ」
瞬時、鋭いまなざしに射貫かれて、心臓が止まる思いがした。
「永遠に--未来永劫、君は私のものだ」
どきん、と心臓が跳ねた。
それからどきどきと心臓はめまぐるしく働いて、彼女の体中、すみずみまで熱を運んでいった。
--ああ、どうか・・・この胸の高鳴りを、陛下に聞かれませんように・・・。
夕鈴は目をつぶって強く願った。
激しい言葉とは裏腹に、彼のキスはやさしかった。
それで初めて、彼女は自分が震えているのに気がついた。
「夕鈴・・・なんて可愛いんだろう、君は・・・」
彼は夕鈴を長椅子に降ろし、そのまま押し倒してきた。
「我慢できない。君が欲しい・・・」
若い雄が全身から発する熱にあてられて、夕鈴はくらくらとめまいがしそうになった。
彼の中の衝動の激しさが、ひしひしと伝わってくる。
なのに、彼女の頬に触れる手は、おそるおそるといったふうで--まるで慣れないこわれものを扱うような手つきだった。
--ああ、そうか・・・昔の私はいっぱいいっぱいで、気付いてあげられなかったけれど。
この人はいつも、こんなふうに、自分を抑えて私にやさしく・・・私を怖がらせないように、と・・・--
そう思ったら、愛しくてたまらなくなった--目の前にいる、若い狼が。
夕鈴は、こわごわと狼の毛皮をなでるように、彼の髪を梳きながら、そっとつぶやいた。
「・・・がまん、しないで・・・」

~つづく~



続きはRl8ですのでご注意ください。

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~ Comment ~

 

前編だけでかなり萌えまくりなんですが!後編読んだら鼻血出そう!
年下陛下もいいなあ(*^_^*)てか、うちの雪宵秘話より萌えますよーシリーズ化希望です。

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>yue様 Re: タイトルなし 

私はyue様にたくさん萌えさせていただきましたから、少しでも萌えのお返しができれば・・・。萌えが降りてきたらまた書きますねv

>慎様 Re: 気になって 

>慎様
コメントありがとうございます!やっぱり気になりますよね、大人夕鈴!
なんせあの大人陛下に日々慈しまれているわけですから・・・いやでも色っぽくなろうってもんです。と思います。
でも本人は自覚ないの希望!(笑)

承認待ちコメント 

このコメントは管理者の承認待ちです

>KM様 Re: 教えてください 

わざわざお問い合わせいただいたのに恐縮なのですが、
残念ながらユエ様は現在サイトを閉鎖されていて、兎女王のオリジナルは読めない状態です。

ありがとうございます 

お返事ありがとうございます。ユエ様のサイトをお尋ねしたKMです。深見様の自己紹介的25の質問読みました。ユエ様もいろいろ大変な目にあっていらっしゃったのですね。残念ですが、深見様のモノだけでも読める幸せを噛み締めます。深見様もお忙しい中、サイトを続けて下さってありがとうございます。最後で申し訳ありませんが、ご出産おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。

>KM様 Re: ありがとうございます 

ユエ様の件は本当に残念なんですけどね・・・。ここも今後更新あまりない(そしてあったとしても小ネタ)ですが、遊びに来ていただければうれしいです♪(^^)
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