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短編

永遠の回廊

 ←簡単なご説明 →【語り】夕鈴に学ぶセレブ妻の条件
管理人深見の大・好・物!!v(≧∇≦)v の第10話の、陛下視点ssです。
ええ、第10話といえば、あの「君が私の妃だ」発言の、あれですよっ、あれ!ヾ(≧▽≦)ノ彡☆ばんばん!!
このとき、陛下はどんなお気持ちだったのかと、妄想かきたてられちゃって・・・。

では、どうぞ。
~・*・~・*・~・*・~・*・~・*・~・*・~

「あ」
小さく叫んだかと思うと、氾家の娘が、王の方に倒れてきた。
懐を狙われて、体が、反射的に警戒モードになる。
だが、例の小者と違って、これはあの腹黒親父の娘だ。
小刀を振り回すような真似はしないだろうと--
彼にとっては、どちらも油断のならない氾家からの、招かれざる客であることに違いはないのだが--
切り替えて、そのまま待ち受けてやることにした。
とすっ。
「も、申し訳ございません!私・・・っ」
焦っている相手を責めても、かえって取り乱すだけで、何もいいことはない。特に、女はそうだ。
あきらめて、彼はつとめておだやかに命じた。
「--よい、焦るな。・・・立てるか?」 

かつっ、と足音がしたかと思うと--夕鈴が、こちらを見ていた。
「おじゃましました」
「--夕鈴!?」
彼女は、その場からぱっと駆け出した。
すぐに、その後を追う。
すぐに捕まるはず--そう思っていたが、その目算は大きく外れて。
夕鈴はどんどん遠くへと逃げていく。
--速い!?
回廊を曲がったところで、見失ってしまった。
「夕鈴!どこだ!」
--今まで、彼の身の回りにいる女性は、すべておしとやかに楚々と歩く者ばかりで。
まさか、女性がこんなに早く走れるものとは思わなかった。
油断した。
夕鈴にはこれまでの常識が全く通用しないことを忘れていた。

あたりを見回しても、夕鈴の姿はどこにも見当たらない。
ふと下に目をやると、そこに探していた姿を見つけた。
もう、あんなところに--

夕鈴は下の階を走っていた。小さく見える背中は、まさに脱兎のごとく。
--逃がすものか!!

夕鈴のもとへ行こうとする王を阻むように、柵が、立ちはだかっていた。
さらに階段が、ふたりを遠ざけている。
王は上の階に、妃は下の階に。
王宮の階段がもたらす高低差は、そのままふたりの身分をあらわしているかのようだった。

彼は、それらの障害を一切無視した。
寸分のためらいもなく、手すりをつかんで飛び越える。
一瞬、体が軽く感じられて--後は、重力が--国家や身分ができるより、ずっと前からこの世を支配している力が--彼女のもとへと運んでくれた。

「夕鈴!」
すとん、と降り立って、彼女の逃げ道をさえぎった。
夕鈴は向きを変えて、また逃げ出そうとする。
その細い手首を、なんとか捕らえて。
「誤解だ、今のは単に彼女がよろけて・・・」
「どんな理由でも私には関係ありませんから、何も言わないでいいです」
何故、怒らない?
怒ってくれないのか。
君にとっては怒るに値しない、どうでもいいことなのか?
「ほら、近くで見ると本当にかわいいでしょう?私が男だったらまず放っときませんよ」
”他の女の話などするな”と言ったのに。
何故、その話を蒸し返すんだ。
--もしかして、と思ったけれど。
まさか、と思いたかったけれど。
・・・やはり私は、完全に彼女の眼中にないのか?

眼中にないならば、入ってやるまで!!

夕鈴の頬を包んで、自分の方へぐっと引き上げる。

私を見てくれ、夕鈴。
私を。
私だけを。

夕鈴は、されるがままだった。
その目は閉じることを忘れてしまったかのように、大きく見開かれていた。
--そう、それでいい。
他の男を見ることは許さない。
私が君の夫だ。

「君が私の妃だ」


~・*・~・*・~・*・~・*・~・*・~・*・~


夕鈴が怖がらない姿に戻って。
腰を抜かして歩けなくなった夕鈴を両腕に抱えて、後宮へ戻る道すがら--彼女はしきりに謝っていた。
「すみません、すみません・・・」
「いや・・・驚かせた僕が悪かったよ・・・」

--まさか、腰を抜かすほど怖がられるとは・・・。
さすがにそこまでは予想できなかった。
しかし考えてみれば、無理もないか。
ちょっと気合が入っただけでも、すぐに狼陛下になってしまうというのに。
”君が私の妃だ”
--そう告げたときの自分は、それこそ、人生最大級に気合が入っていた。
きっと、さぞかし怖い狼陛下の顔をしていたんだろう・・・。

恐縮して、身を縮こまらせる夕鈴はとてもかわいくて。
もう一つの自分が、キスしたいと考えているのを、ちりっと感じる。
でも、それではまた怖がらせてしまうから。
落ち着いて、落ち着いて。

--夕鈴がいてくれる。
僕の腕の中に。

両腕に感じる夕鈴の重みが、”もう逃げません。ここにいます”と約束してくれているようで。
深い安らぎを与えてくれる。
この安らぎは、他からは得られない。誰も与えてくれない。
ただ、夕鈴だけが、僕に与えてくれる--

「やっぱり他の妃を貰う余裕なんてないよ。君といるのが一番楽しい」
「本物よりも偽者の妃でいいなんて、陛下も変な王様ですよね」

変な王様でいいよ。君といられるならば。

夕鈴を抱えて、長い廊下を一歩一歩、ゆっくりと歩いていく。

王宮の構造に、こんなに感謝したことはなかった。
以前は、だだっぴろいだけで機能性がないなどと思っていたのに。

今このときは、この廊下が永遠に続いて欲しいと願っている。

このままずっと、夕鈴を抱えていたい。
いつまでも、夕鈴の部屋に着かなければいい--

fin

~・*・~・*・~・*・~・*・~・*・~・*・~
・「君が私の妃だ」の陛下視点
・夕鈴の本気走りに萌える(?)陛下
・結局夕鈴にベタぼれの陛下

「君が私の妃だ」って、裏を返せば「私が君の夫だ」ってことだよね~。
なんて考えていて、できたものです。
書きたかったものを盛り込んじゃいましたが、いかがでしょうか?
少しでも楽しんでいただければ幸いです☆








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~ Comment ~

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>ニマニマ様 

コメントありがとうございます♪
私は、陛下も気持ちの揺れるときがあったのではないかと思ってます。
解雇を告げてもけろっとした顔の夕鈴に、がっかりした雰囲気でしたし。
ただ、感情と理性を厳しく分ける人なのだろうとも思います。
二人の再開が待ち遠しいですね!
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